刑事裁判と少年審判は,基本的な考え方が異なります。
刑事裁判ー行為の重さがそのまま刑の重さになる
刑事裁判であれば,やったことの重さがそのまま刑の重さにつながります。
1000円分の万引きなら、警察で説教されて帰されるかもしれません。100万円を盗めば、刑事裁判になって、場合によっては刑務所に1年くらい行くことになるかもしれません。1億円を盗めば、数年間は刑務所に入ることになるでしょう。
やったことの重さが、そのまま刑の重さにストレートにつながっていきます。
少年審判ー行為の重さがそのまま処分の重さにはならない
少年審判は、やったことの重さが処分の重さになるとは限りません。
100万円を盗んでも、少年が反省していて、今後は保護者が子どもの指導をきちんとしてくれそうだという状態ならば、家に戻り、保護観察で指導を受けながら様子を見てみようということになることがあります。
その反面、1000円分の万引きでも、少年の家庭環境が非常に悪く、まわりには少年を悪さに誘う非行傾向の進んだ子たちがいっぱいいて、学校でもうまくいっておらず、再非行の可能性がとても高いということであれば少年院送致になることもあります。
教育を中心に考える少年審判
少年審判は、その子どもが非行から離れて成長していくためにはどういう処分がいいのか、どういう教育をしていけば効果があるのかを考えるのです。だから、やったことの大きさと処分の重さはストレートにはつながりません。
だから少年審判では、その少年がなぜ事件が起こったと思っているのか、事件のことをどう考えて反省しているか、親が子どもにどうやって関わろうとしているかといったことを考えていくことが、刑事裁判に比べて、結果に大きく影響するのです。